半導体装置大手5社の研究開発費が拡大…投資積み増しで先端技術に対応する

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半導体製造装置メーカー国内大手5社の2023年3月期の研究開発費は合計3200億円となり前期比18・8%増える見通しだ。東京エレクトロンやディスコは過去最高を更新する見込み。経済安全保障で重要性が高まる半導体の技術革新に貢献する。各社とも開発投資を積み増し、最先端の半導体技術に対応できる体制を整え、成長を目指す。

東京エレクトロンは8年連続で研究開発費を増額。23年3月期は前期比約20%増の1900億円と過去最高を見込む。「研究開発を加速し事業機会を確実に捉えていく」(河合利樹社長)とし「4世代(約10年)先までの技術ニーズを顧客と共有し、開発に取り組んでいる」(同)。27年3月期までの中期経営計画でも5年間累計で1兆円以上の研究開発費を投じる。

同社が想定する一つのテーマが微細な半導体回路を描く「パターニング技術」。ロジック半導体やDRAMの微細化実現には「新規の技術や構造の導入が必要」(三田野好伸取締役常務執行役員)。3次元NAND型フラッシュメモリーでは記憶素子を垂直方向に積み重ねる積層化が進展し「エッチングや成膜技術の向上が必要になる」(同)という。

微細化とは異なる切り口で研究開発を進めるのが、露光装置を手がけるニコン。23年3月期の精機事業の研究開発費は前期比約6%増の200億円を計画する。

ニコンが取り組む「デジタル露光」は設計図に当たるマスクに光を当て、シリコンウエハーに回路を焼き付ける従来の方式を見直し、コンピューター上で設計した回路を直接焼き付ける方式。マスク不要で、半導体メーカーの研究開発のスピード向上や大型の半導体チップ製造が可能になるなどのメリットが見込める。「30年度に向けて収益に相応の貢献ができる技術に育てたい」(同社)という。

後工程ではディスコやアドバンテストが過去最高の研究開発費を見込む。ディスコは4月、東京都大田区に研究開発拠点を開設した。新製品の量産を検証する機能も設け、生産体制をより安定させる。アドバンテストは研究開発費の多くを最先端のロジック半導体やメモリー向けの試験装置の開発に充てる。

日刊工業新聞2022年6月16日

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