【動画あり】東大が自動運転に “目”をつけた!「視線」で歩行者を認識
東京大学のチャン・チアミン特任講師と五十嵐健夫教授らは、自動運転車に両目を付けて視線で歩行者を認識できているか示す手法を開発した。歩行者が自動運転車の前を横断する際に視線で危険性を判断できる。実験では自動運転車の意図を読み誤る確率を4割ほど減らせた。事故の抑制につながる可能性がある。
自動運転車に顔のような大きな目玉を二つ装着する。モーターで黒目が動き視線を表現できる。車両が歩行者を認識できていて急な飛び出しに止まれる場合、目が歩行者を向いて”見えている”と提示する。歩行者を認識していない場合は視線が合わず”見えていない”と判断できる。
この車両が十字路に進入する360度映像を撮影し、歩行者と交差するバーチャル体験で意図提示効果を評価した。歩行者が認識されず車両が通過しようとしている状況での横断を、目を付けると37%から24%に減らせた。これは統計有意差はなかった。
歩行者を認識し車両が停止しようとしている状態での無駄な停止を64%から35%に減らせた。統計有意差があった。歩行者が見えていて止まろうとしていると伝わったと考えられる。歩車混在の空間で車と人の意思疎通につながる。
日刊工業新聞 2022年9月22日