「大変心苦しい決断」…東電EPが特高・高圧の法人料金に市場価格反映
東京電力エナジーパートナー(EP)は、2023年4月から法人向けの高圧、特別高圧の料金を卸電力市場のスポット価格を反映する料金体系に変更する。燃料費調整制度(燃調)に基づく変動分に加え、21年7月から1年間のスポット価格を基に設定した基準価格と、毎月のスポット価格の差が料金に反映できる仕組みを加える。さらに4月に導入される託送レベニューキャップ制度も反映した料金とする。
燃調は12年時点の石油、石炭、液化天然ガス(LNG)の比率で算定しているため、実態に合わせ石油を大幅に減らし石炭を倍増させる。電源構成には再稼働を目指している柏崎刈羽原子力発電所7号機を75%稼働することを前提に算定した。この分を市場で調達した場合と比べ約2000億円の削減となり、顧客負担が軽減する。
東電EPは燃料価格の高騰分を料金転嫁できず6月末で約67億円の債務超過になった。法人向けの新規契約は停止中。秋本展秀東電EP社長は「大変心苦しい決断。新規契約の声に応えたい」とした。
日刊工業新聞2022年9月21日