中国・台湾の輸入急増、ステンレス業界が注視

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ステンレス鋼業界は中国、台湾からの冷延鋼鈑の輸入急増を注視している。ステンレス協会は今春以降、輸入冷延鋼板のモニタリング調査で従来対象の韓国に加え、中国、台湾の鋼材価格や占有率などを把握。さらに同協会と特殊鋼倶楽部は経済産業省と連携を強め勉強会などを実施している。低廉な汎用品が国内市場を撹乱する恐れがあれば、アンチダンピング(AD)措置などを国に求められるよう準備を進めていく。

輸入ステンレス鋼では2021年以降、中国、台湾からが増加傾向。貿易統計によると22年7月の冷延鋼鈑は中国が前年同月比68・1%増の5606トン、台湾が同2・0倍の4898トンとなった。従来は韓国がシェア首位だったが、中国が5月以降33%超で最多だ。

こうした中でステンレス協会と特殊鋼倶楽部は「貿易救済措置の制度にかかる勉強会」を開いた。経産省の担当官を迎え、アンチダンピング措置や補助金相殺関税の要件などを確認。調査対象貨物の定義、ダンピングの事実、損害の有無や因果関係などについて業界関係者が認識を共有した。勉強会の事務局は「輸入品による損害を確認した場合、遅滞なく行動に移せるよう理解を深めた」という。

海外の市況は総じて振るわない中、円安にもかかわらず店売り汎用品の輸入が増えている。「海外メーカーが採算割れを承知で、余剰生産品を送り出すようなことなら問題」(関係者)としている。

国内ステンレスメーカーは「市場環境に大きな変化がない中、輸入鋼材量は高水準。関係当局と連携、損害が確認された場合は準備を進めたい」と語る。

日刊工業新聞2022年9月15日

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