ニュースイッチ

「100年に1度の移動革命」、ドローンで災害時医療物資運搬を実証

「100年に1度の移動革命」、ドローンで災害時医療物資運搬を実証

あらゆる天候に対応できるプロペラの開発を進める(スカイドライブの大型ドローンと福沢社長)

スカイドライブ(愛知県豊田市、福沢知浩社長)と豊田市などが災害時を想定した飛行ロボット(ドローン)による医療物資運搬の実証に乗り出す。両者は2021年に次世代航空モビリティーの開発・製品化や実証実験をするネットワークを発足。現在取り組みを本格化しており、22年度内に実証実験を始める予定だ。1回につき最大30キログラムを搬送できる同社独自の大型物流ドローンで、まずは災害医療の課題を洗い出す。

交通の便が限られ、高齢化も進む豊田市足助町を実証場所にする。ここには観光地の渓谷「香嵐渓」があり、そこにかかる二つの橋が倒壊すると孤立する危険もある。こうした地域の課題解決を先端技術のドローンが担えるかを模索する。

当初は、防災の日に合わせて1日に初の実証実験をするはずだったが、悪天候のため中止にした。福沢社長は「あらゆる天候に対応できるようプロペラの開発を進めている。23年度には風雨に強いものにしたい」と説明する。観光シーズンの秋が過ぎてから、好天を見計らい再度挑戦する方針だ。

ドローンは自動車や鉄道と異なり道路や線路などのインフラがなくても行き来できるのが最大のメリット。「100年に1度の移動革命を実現する」(福沢社長)と志は高い。

日刊工業新聞 2022年9月8日

編集部のおすすめ