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万博で事業化目指す「空飛ぶクルマ」、スカイドライブが描く道筋

SkyDrive(スカイドライブ、愛知県豊田市、福沢知浩社長)は、2025年の大阪・関西万博での事業化を目指す空飛ぶクルマで、遊覧やエアタクシーなどのサービス事業を日本とアジアを中心に展開する。25年の万博開催時は万博会場や大阪湾エリアなどを中心とし、26年以降関西以外の国内や東南アジアなどに広げる。事業規模は23年をめどに詰める。料金はヘリコプターの遊覧飛行の半分以下の水準を目指す。事業モデルの2人乗り機体「SD―05」のデザインを22年末までに公表する方針。

スカイドライブは1人乗りの有人試験機「SD―03」で19年にデモフライトに成功し、事業化に向けた開発を続けている。2人乗り対応ではモーターやプロペラ、バッテリーなどを変更して必要な力や電気量を確保する必要がある。モーターなどの制御ノウハウを持つ人材を拡充して開発を加速、25年までの機体認証取得を目指す。

デザインは自動車など既存のモビリティーに近い形で風が通りやすいイメージを出す方針。空飛ぶクルマを社会に受け入れやすくするためには見た目が重要としてデザインを重視する。

エアタクシーサービスでは、国内では近畿日本鉄道南海電気鉄道と協力し、インドではスズキと協力する。都市部での渋滞を避けたスムーズな移動に加え、地方でも移動に不便な山間部などの需要を見込む。離着陸場の設計は大林組や長大(東京都中央区)と協働でモデル作成を進める。

30年には自動運転機を投入し、利便性向上を図る方針。

日刊工業新聞2022年7月6日

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