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原子力機構が30年代初頭にも建造へ、次世代原子炉「高温ガス炉」の特徴

日本原子力研究開発機構は、英国の次世代原子炉開発事業への参加を発表した。茨城県大洗町の「高温工学試験研究炉(HTTR)」で得た知見を生かし、2030年代初頭にも高温ガス炉の実証炉建造を目指す。

英国政府は最大3億8500万ポンドの先進原子力基金を創設。この中で「新型モジュール炉(AMR)研究開発・実証プログラム」に英国立原子力研究所や民間企業のJacobs、Urencoとともに採択された。12月までに高温ガス炉の概念をまとめ、実行可能性を検討。23年から基礎調査を含む詳細設計を進め、25年半ばをめどに許認可および建設、運転を目指す。

高温ガス炉は安全性の高さが特徴。冷却材に不活性なヘリウムガスを使い、事故時にも炉心溶融しない。900度C超の熱を取り出せ、発電効率が高く、水素製造なども可能。

日刊工業新聞2022年9月6日

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