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生活環境「悪くなる」…日本の消費者4割が予想

英アーンスト・アンド・ヤング(EY)の日本法人、EYジャパンが公表した世界の消費者動向調査によると、日本の消費者の4割が今後3年間の生活環境見通しが悪化すると回答した。「良くなる」の割合から「悪くなる」の割合を引いた数値はマイナス21%で、全世界の平均値プラス14%を大幅に下回った。生活必需品などの物価上昇に対して日本の消費者は悲観的に捉えているもよう。個人消費は持ち直し傾向にあるものの、企業はデジタル技術などを活用した需要喚起の努力が必要になりそうだ。

調査は5月から6月にかけて、日本のほか米国や中国など24カ国で1万8000人の消費者を対象に行った。回答者の79%が家計が心配だとし、62%が今後半年間に生活費がさらに増加すると予想した。家計に不安を抱えている回答者は低所得者層で87%、中所得者層で77%、高所得者層で64%と、全ての所得層で過半数を占めた。

国別に見ると、新興国などと比較して欧米市場の経済見通しは悲観的だった。今後3年間は生活が変わらないか悪くなると回答した消費者はブラジルが21%、インドが24%に対し、米国は54%、英国は65%だった。

日本でもコロナ禍で消費行動が大きく変化した。デジタル通貨の使用やメタバース(仮想空間)といったデジタル空間の消費などもあり、デジタル技術による顧客体験の提供が「消費財企業にとっての重要な差別化要因となり始めている」(EYジャパン)。

日刊工業新聞2022年9月5日

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