次世代原子炉実用化へ、経産省が原子力政策案
経済産業省は、原子力政策の中間論点整理案を公表した。エネルギー安全保障の強化や海外展開を見据えて、研究開発体制を再構築し、次世代原子炉の実用化を支援する方針を示した。東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえ、新技術の導入を通じて安全性を高める。岸田文雄首相が次世代原発の開発・建設の検討を表明しており、経産省は具体化に向けた議論を進める。
総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の原子力小委員会で提示した。安全性を最優先しつつ、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現を考慮し、次世代炉の開発を推進する。そのために官民のノウハウや経営資源を結集することが急務とした。
具体的には開発プロジェクトに基づく支援体制を強化するほか、原子力関連の人材基盤を整備する。自律的な開発を重視しながらも、次世代炉に関連する国際的な協力関係を築く方針も打ち出した。
日刊工業新聞2022年8月26日