核融合産業の投資が世界で過熱している

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米CFSが世界初の商業用発電プラントとして計画する高温核融合炉「ARC」のイメージ(同社提供)

世界で核融合産業に対する民間資金の投資が急増している。核融合産業協会(FIA、本部米ワシントン)がまとめた「グローバル核融合産業2022」報告書によれば、1年前の前回調査に比べ、スタートアップなどに投じられた民間資金は28億ドル増え、累計で47億ドルを突破した。放射性廃棄物を排出せず、原子力発電より安全性が高いとされる未来のクリーンエネルギーへの期待がいっそう高まり、投資も過熱しているようだ。(藤元正)

報告書は今回が2回目。回答した核融合関連企業は前回の23社から33社に増えた。うち政府による投資や補助金は合計1億1700万ドル超で、民間資金と合わせた累計額は48億ドル超に達した。

過去1年間に18億ドルという最大の資金調達を行ったのが、MIT発スタートアップの米コモンウェルス・フュージョン・システムズ(CFS、マサチューセッツ州)。2番目が米ヘリオン・エナジー(ワシントン州)の5億ドルで、これらを含め2億ドル以上の資金を集めた企業は7社にのぼった。また、21年以降で新たに8社の核融合スタートアップが誕生したという。

一方、各社に対して核融合発電プラントが電力網に接続される時期について聞いたところ、30年代かその前に実現すると予想する企業は約93%。前回調査より10ポイント上昇した。同時期に84%の企業が、初の核融合プラントが商業的に実現可能と見られる十分に低いコストと十分に高い効率を実証すると見ている。

回答の国別では米国が21社と最も多く、次が英国の3社。前回ゼロだった日本からはEXーFusion(エクスフュージョン)とヘリカルフュージョンの2社が参加した。

日刊工業新聞2022年7月22日

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