半導体装置メーカー・SCREENの初の医療機器、安全性・有用性を確認
SCREENホールディングス(HD)と広島大学は、SCREENが開発した腎臓移植用医療機器の臨床試験で安全性と有用性を確認したと発表した。同機器は臓器を一時的に被覆し冷却状態を保持する保護具で、4月発売。今後は他臓器への展開も視野に入れ研究開発を進める。
SCREENが開発した医療機器「オーガンポケット」は、特殊ゲル素材による巾着袋状の器具。移植手術時に臓器を包んで医療者や患者からの熱や物理刺激などを遮断し、臓器を適切に保持する。熱に弱い腎臓の温度上昇を防ぎ、機能低下を抑制する。サイズは2種類で、消費税抜きの価格は最大サイズで5万円。販売目標は今後詰める。同社初の医療機器製品となる。
臓器移植では臓器温度を低くする必要があり、従来は臓器にガーゼで包んだ氷を当てるなどして温度上昇を防いでいた。しかし効果は一時的で条件設定も難しかった。同機器は熱に弱い心臓や膵臓での応用も期待される。
日刊工業新聞2022年8月10日