SFCの考え方の基本から実用的なプログラムを解説

雑誌『機械設計』2022年8月増大号 特集1 SFCを使ったPLCシーケンス制御入門 第1部 SFCプログラムの理論と考え方 

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 PLCはProgramable Logic Controllerの略で、国内ではプログラマブルコントローラやシーケンサと呼ばれる自動化装置などを動かすためのマイクロコンピュータを搭載した制御装置です。PLCの制御では、センサやスイッチの入力機器の信号を取り入れ、ランプやモータ、ソレノイドバルブなどの出力機器の制御をします。
 PLCを制御するためのプログラミング言語の一つに、SFCがあります。SFCを使った制御方法は国内では主流ではありませんが、とりわけ欧州においては比較的よく利用されていて、輸出機器のPLCのプログラムはSFCで書くことを要求される場合があります。
 SFCの入出力の制御はラダー図を使います。ところが、SFCでは制御する順序を流れ図で表現するので、制御に使うラダー図に関しては簡単な入出力や自己保持回路が扱える程度の知識があれば、制御プログラムを記述できるようになります。
 本特集では、SFCの考え方の基本から実用的なプログラムまで、SFCを使って機械装置を動かすために必要な一連の知識を修得できるように解説します。

第1章 SFCとペトリネット

解説1-1 SFCは順序動作のための制御プログラム

ペトリネットによるプログラム構造

SFCはSequential Function Chartの略で、順序制御のプログラミング手法の一つです。SFCのもともとの考え方は、ペトリネットと呼ばれる離散事象の状態を表現する考え方があり、これを、シーケンス制御のような順序制御を行うPLCの制御に応用したものです。

 

ペトリネットではアーク、プレース、トークン、トランジションの4つの要素を使って制御を記述します。簡単な例を示すと、矢印(Arc)の順序で工程が進み、プレース(Place)と呼ばれる状態を表すシンボルにトークン(Token)と呼ばれる黒い丸があるときに、トランジション(Transition)と呼ばれる事象(Event)が、発火(Firing)すると、プレースのトークンが取り除かれて、次のプレースに新しいトークンが配置されます。プレースにトークンがあるときに、そのプレースが有効になっている状態を表します。すなわち、トランジションの条件が整って発火すると、次のプレースにトークンが移動することになります。発火するとは、トランジションに記載されている条件が満たされて、トークンがそのトランジションを越えて次のプレースに移動することを意味しています。

トランジションは、遷移、移り変わりという意味があり、次のプレースに状態が遷移することを指しています。図1―1―1で説明すると、プレースP1にトークンがあるときに、トランジションT1の条件が整うと、トランジションが発火して、P1のトークンが消えて、P2にトークンが配置されることになります。

P1にトークンがあるときに、P1は活性になっていると言い、P1のプレースが有効になっていることを意味します。そして、P1が活性のときに、トランジションの条件が整って、遷移する状態になることが、トランジションの発火です。この例では、トランジションT1が発火して、P1からP2にトークンが移動することになります。

図1-1-1 ペトリネットの要素

第2章 SFCの構造

解説2-1 SFCプログラムの構造

(1)SFCの構造とペトリネット

ペトリネットの考え方をシーケンス制御に応用して、機械装置の順序制御ができるようにしたものがSFCです。SFCはフレームと実行プログラムでできていて、フレームには制御順序を決める流れ図が記述されます。ペトリネットで説明したプレースやトランジションを使って流れ図として記述します。一方、実行プログラムは、流れ図の中のプレースとトランジションに記述します。有効になったプレースで出力の切り換えを実行する制御をラダー図で記述します。トランジションには、トランジションが発火する条件をラダー図で記述できるようになっています。

(2)SFCの基本要素

SFCの動作順序の流れを表すフレームの基本要素として、図2―1―1にあるような、イニシャルステップと、トランジション、ステップ、ENDステップが使われます。

ペトリネットで説明したプレースのことを、SFCではステップと呼び、図記号ではSTEPとなります。最初のステップは、イニシャルステップと言い、二重の四角を使って表現します。2 番目以降の通常のステップは四角で表現します。

ペトリネットで説明したトランジションを、SFCでは移行条件とも呼び、図記号をTRとしていて、記号はペトリネットと同じ横棒を使います。そして、ステップの終わりには、1 サイクルの終端を表すENDステップとして2本線のシンボルを使います。

図2-1-1 SFCプログラムのフレームの要素

雑誌紹介

雑誌名:機械設計2022年8月号

判型:B5判

税込み価格:2,035円

内容紹介

機械設計 2022年8月号  Vol.66 No.9

販売サイトURL

Amazon:www.amazon.co.jp/dp/B0B7KTCKBF

日刊工業新聞ブックストア:https://pub.nikkan.co.jp/magazines/detail/00001118#index?ns220806

機械設計2022年8月号

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