大量の軽石漂着で海洋生物は生存困難に、産総研などが報告した負の影響

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軽石で覆われた干潟でハクセンシオマネキが衰弱している。干潟の底質が砂泥から軽石に変化し巣穴が塞がってしまった(北里大提供)

北里大学の大野良和特任助教らは産業技術総合研究所と共同で、大量の軽石漂着が沿岸生物に与える影響を調査し、一部の海洋生物は生存が困難になるといった負の影響を報告した。2021年8月の福徳岡ノ場の海底火山大噴火で発生した大量の軽石が南西諸島などに多く漂着したことによるもの。今後、軽石が海底に沈んだ後など長期的な影響解明が必要となる。漂流する軽石の軌道から、生物が生息場所を広げるメカニズムの解明につながる可能性もある。

軽石漂着量の多かった沖縄県北部のやんばる国立公園周辺の沿岸域を調査した。

その結果、従来の研究報告と異なり、急激な環境変化により一時的に一部の海洋生物は死亡や衰弱したこと、軽石の多くは生物付着が進まない状態で沖縄まで漂着したことなどが分かった。

海外の先行研究では、軽石表面に生物が付着して長く輸送され、軽石が生物多様性に貢献するとされていた。

軽石表面にはエボシガイなどが生息していたが、生育状態などから沖縄周辺で付着したとみられる。軽石に無数の微細藻類が生息することも発見した。

養殖中のグルクマという魚は、軽石を飲み込み、腸内に詰まって大量死した。同様の餌食形態の魚類は自然環境下でも飲み込んでしまうと考えられる。

また、サンゴ表面に軽石が当たりストレス要因となるが、光量不足によるサンゴ死滅の可能性は低い。

日刊工業新聞 2022年7月28日

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