サンゴスタートアップのイノカが始める”新しい養殖法”とは?

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チタンの棒にサンゴのポリプが広がっている様子

サンゴスタートアップのイノカ(東京都港区)はチタンを使ったサンゴ養殖法の研究を始める。従来よりもサンゴへの負荷が少ない養殖法を確立し、保全活動にいかす。

養殖法の技術は関西大学の上田正人教授が開発した。サンゴに酸化チタンをコーティングしたチタン棒をインプラントすると、サンゴがチタンを「自分の骨格である」と誤認識し被覆膜だけを伸ばした。この技術を応用して、親サンゴから取り出した「ポリプ」と呼ばれる小さな固体をチタンの上で成長させる。

従来は親サンゴから枝分けしたり、受精卵で作る「プラヌラ」という幼生から群生を作る養殖法がある。これらは親サンゴの回復に時間がかかることに加え、サンプル採取が産卵時期に限定される課題があった。チタンを使う養殖法では親サンゴへの負荷を減らしながら、一度に多くのサンゴを養殖できるようになる。イノカが持つサンゴの育成をデータ化する技術を組み合わせ、養殖法の再現度と安定性を高める。将来は海水温度の上昇に強いなど、環境耐性がある個体を養殖して、サンゴの保全活動に活用する。また、上田教授は同社の最高技術責任者(CTO)に就任する。

上田教授

イノカは人工で自然環境を再現する「環境移送技術」を手がけるスタートアップ。水槽内に取り付けたカメラやセンサーで取得したデータを使い、サンゴを飼育する。2022年には水槽内で育てたサンゴを産卵させることに成功した。サンゴが地球に占める面積は、わずか0.2%程度だが、海洋生物の約25%に及ぶ約9万3000種が生息しているという。環境破壊によって40年には90%が死滅するとの予想がある。イノカはデータを活用して、サンゴを保全することを目指す。

ニュースイッチオリジナル

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イノカ

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