日本企業「脱ロシア」の動きが止まった
帝国データバンク(TDB)がまとめた7月の「日本企業の『ロシア進出』状況調査」によると、日本企業の「脱ロシア」の動きが止まった。2月時点でロシアへの進出が判明した国内上場企業168社のうち、7月22日までにロシア事業の停止や制限・撤退を新たに発表・公開した企業は、全体の約4割に当たる74社。ただ、6月と7月を比べると新たな停止や撤退を表明した企業はゼロだった。
事業の停止や中断となった企業の内訳は、製品の出荷・受注などを含む「取引停止」が34社で最多。次いで、現地工場の稼働停止など「生産停止」が14社、店舗営業や現地の販売活動などを含めた「営業停止」が10社と続いた。
ロシア事業の停止・撤退をめぐっては、3月時点で全体に占める割合は22%だったが、3―4月にかけてロシアに進出する主要な日本企業でロシア事業の停止や撤退といった脱ロシアの動きが相次いだ。だが、その後は脱ロシアの機運は急速に低下、5月時点ではロシア事業の停止を表明した企業は4月時点の増加数から半減、6月も5月から半分以下にとどまっていた。
TDBは「大手企業でも将来的な事業再開・撤退についても言明を避けるケースが多い」とした上で、「総じてロシア事業を見直す動きはストップした」としている。
調査はロシアがウクライナに侵攻した2月に、進出が判明した上場企業168社に対して3月から実施している。
日刊工業新聞 2022年7月28日