パソコン・タブレット出荷が大幅に減少した理由

回復傾向も部品不足懸念

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学校教育をデジタル化する政府の「GIGAスクール構想」特需の反動でパソコン(PC)やタブレット端末の出荷が大幅に減少した。MM総研(東京都港区、関口和一所長)がまとめた2021年度の国内パソコン(PC)出荷台数は、前年度比33%減の1158万3000台。国内タブレット出荷台数も同32・8%減の774万台となった。22年度はPCが底打ちし、タブレットは23年度から回復傾向に転じる見込みだが、部品不足で供給が滞る懸念もある。

21年度のPCは出荷金額も低調で、前年度比22%減の1兆912億円となった。低価格ノートPCの出荷増が影響した。メーカー別の出荷台数シェアでは、首位がNECレノボで25・1%。以下、日本HP15・9%、デル14%、富士通クライアントコンピューティング(FCCL)13・9%などと続いた。

22年度のPC出荷台数は同1%減の1147万台を見込む。法人向け市場ではGIGAスクール特需の反動が一部残るため同2・7%減の730万5000台となる見通しだが、通常の法人需要は増加を予想する。

MM総研の中村成希取締役研究部長は、「法人市場は働き方改革に伴うPCの更新需要が増えてきているが、足元は部品不足から供給がやや滞っている状況。メーカーやサプライヤーは供給の遅れを最小化し、従業員一人ひとりの成長につながる端末やソリューションの提案に注力すべきだ」と分析している。

PCと同じくGIGAスクール構想特需の反動を受けたのがタブレット端末だ。同構想による小中学校向けのタブレット配備で需要が高まり、20年度は出荷台数が1152万台と過去最高を記録したものの、21年度は大幅に減少した。

21年度のメーカー別出荷台数では、米アップルが410万3000台(シェア53・0%)。10年度から12年連続で1位を獲得しており、3年連続でシェア50%超となった。2位はNECレノボで114万3000台(同14・8%)、3位の米マイクロソフトは96万5000台(同12・5%)となっている。

基本ソフト(OS)別の出荷台数をみると、「iPadOS」が410万3000台(シェア53・0%)で4年連続の首位。また「アンドロイド」が「ウィンドウズ」を抜いて2位となり、20年度から逆転した。

MM総研は22年度のタブレット出荷台数を同4・4%減の740万台と見込む。23年度は790万台、24年度は890万台、25年度は970万台の出荷を予測。同社は「携帯通信事業者によるタブレット販売は大幅な増加が見込めない」とし、高校向けの端末配備や小中学校向けの買い替え需要に影響されるとみている。

一方、個人向け市場では「エンターテインメントや仕事・学習のすべてにおいて、PCライクな活用が増えることが想定される。スマートフォンやパソコンを含むデバイス種類の垣根を越えた、さらなる競争が巻き起こるだろう」と指摘。PCに比べて簡便で、スマホよりも画面が大きいといった点を評価する消費者が増え、タブレットの出荷に弾みがつく可能性はある。

ただ、タブレットもPCと同様、部品不足が影響するリスクは考えられる。需要の回復に応じた供給がなされるかが焦点になりそうだ。

日刊工業新聞2022年7月11日

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