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押されても倒れない、ヒューマノイドが足場を認識して歩く技術の仕組み

東京大学の佐藤新平大学院生と小島邦生助教、稲葉雅幸教授らは、ヒューマノイドがリアルタイムに着地可能領域を認識して歩く技術を開発した。5ヘルツで足を置ける場所を判定して情報を更新し続ける。足の制御は500ヘルツで実行する。身体を押されても足を出して転倒を回避できた。

ロボットの視覚センサーで取得した点群データから足を着ける領域を推定する。凸状構造や傾きがなく、足を着いた後に次の足を出す際に障害のない場所を算出する。そして着地高さや足を出した後の姿勢を求める。

足を出す際は認識誤差を吸収するよう、予想接地高さにオフセットを加える。認識は5ヘルツ、制御を500ヘルツで実行し、ロボットは足を着ける場所を認識しながら歩く。

実験では5度程度の勾配や穴の空いたコンクリートブロックの上を歩けた。身体を押されても足場の隙間などを踏まずに足を出してバランスを保てた。

従来は環境を計測して足を出す位置や軌道などを計算していた。着地可能領域を認識していれば一歩一歩計測せずに、500ヘルツの制御を生かせる。

日刊工業新聞2022年7月7日

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