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お風呂掃除で活躍へ、動きが柔軟な“たこ足ロボット”が誕生した

東京農工大が開発
お風呂掃除で活躍へ、動きが柔軟な“たこ足ロボット”が誕生した

タコみたいな4本脚ロボ(東京農工大提供)

東京農工大学の水内郁夫教授と東京大学の原田恵大学院生は、タコのような4本脚のソフトロボットを開発した。吸盤での吸着と柔軟な動きができる。秒速3ミリメートルとゆっくりだが移動も可能。壁に張り付いて、持ったスポンジを振るなどの動作ができた。お風呂掃除への適用を目指す。

空圧式のたこ足アクチュエーターを開発した。脚の先には16個の吸盤があり、真空ポンプで空気を吸い込む。マイナス80キロパスカルの減圧で壁に貼り付けると耐荷重は1本当たり約600グラムだった。先端を曲げることで脚先を浮かせて壁から離れる。脚を曲げて把持対象を巻き込むと保持できる。

脚の根元は軟らかく、伸長と収縮、湾曲の3自由度で動作する。たこ足アクチュエーター4本で移動ロボを構成した。重量は580グラム。脚を平泳ぎのように動かすと秒速3ミリメートルで進んだ。回転速度は秒速3度。浴槽の壁面に吸い付いてスポンジで拭う動作ができた。空圧式のため耐水性がある。

現在はたこ足で移動と作業の両方ができた概念実証(PoC)の段階。ロボットの壁面作業は難しかった。風呂掃除のほか、お化け屋敷などのアトラクションの動的な仕掛けになると期待される。

日刊工業新聞2022年6月17日

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