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月や火星に居住空間、京大と鹿島が進める共同研究の中身

月や火星に居住空間、京大と鹿島が進める共同研究の中身

宇宙における快適な居住空間の実現を目指す(左から2人目が山敷庸亮京大教授、右端が福田孝晴鹿島専務執行役員)

京都大学と鹿島は、月や火星への居住空間の構築に向けた研究に共同で着手することで合意したと発表した。生活基盤や惑星間の移動手段の整備のほか、宇宙に森林や海洋などの自然資本を移転させるコンセプトの計3点について構想する。必要に応じて有識者の協力を得ながら、研究を進める。

宇宙空間や月面、火星面において回転による遠心力で地球環境と同等の重力を発生する「人工重力居住施設」を建設。人類にとって快適な空間を作り、その中で自然資本を取り入れていく。

京都大学吉田キャンパス(京都市左京区)で同日会見した京大の山敷庸亮SIC有人宇宙学研究センター長は、「鹿島は人工重力を研究しており、米国の民間企業が発表する前にこの分野でリーダーシップをとりたい」と話した。山崎直子スペースポート・ジャパン代表理事もオンラインで参加し、「数千人単位で火星に住む時代がいずれ来るのではないか」と述べた。 

日刊工業新聞2022年7月6日

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