表情のない産ロボが感情を出すと協力作業が長引く

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デザートサバイバルタスクの実験環境(岐阜大提供)

岐阜大学の寺田和憲准教授と名古屋大学の臼井公希大学院生らは、表情のない産業用ロボットが感情を出すと人間と機械の協力作業が長引くことを発見した。デザートサバイバルタスクという砂漠で生き延びるために必要な道具を選ぶ協力的意思決定課題を題材とした。人工知能(AI)技術などで機械をエージェント(擬人)化する際には慎重な設計が必要になる。

デンソーウェーブ製の小型協働ロボ「コボッタ」の手首にLEDを付けて赤の明滅で怒り、緑の明滅で喜びを表現する。デザートサバイバルタスクとして被験者に鏡やコンパス、水などの15品から5品をロボと協力して選ばせた。ロボの提案を被験者が拒否したら怒り、受け入れられたら喜びを表現する。

52人で実験すると感情なし条件は平均17回で合意に至ったが、感情あり条件では平均23回に増え、その差は統計的に有意だった。ロボの提案が受け入れられる数は感情の有無で有意な差はなかった。感情表現が協力作業を長引かせた。

従来アニメーションで表情を足すと協力を促すと知られている。今回は被験者を非協力的にした。AIの信頼を巡っては、AIは機械と示すことが推奨されている。だが擬人性の利点も失うため擬人性を保ちつつ信頼を向上させる道が模索されている。

日刊工業新聞 2022年6月23日

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