トヨタ「ランドクルーザー」で悪路を走破、トーヨータイヤのSUVタイヤ新モデルが示した性能

  • 0
  • 0
トヨタのランドクルーザーで試走した悪路のオフロード

トーヨータイヤは北米市場で成功したスポーツ多目的車(SUV)用タイヤ「オープンカントリー(OC)」の新型モデルを日本市場で7月に発売する。5月にはそれに先立ち、悪路の走破力や街乗りの快適さも訴求しようと、報道陣向けに試走会を開いた。試走で感じたのは、地面に張り付くような安定性と静けさ。競合とは一線を画した個性を価値とする製品戦略を国内市場でも加速する。(大阪・田井茂)

「OCは北米で大口径タイヤの代名詞。走破性能や大型でごつごつした自己主張のデザインが、かっこいいという文化が根づいている」。愛知県豊田市で開催した試走会で、トーヨータイヤの北川治彦経営基盤本部長はこう力説した。

日本では知られていないが、OCは米国の自動車用品ショーで展示車装着率トップに立った屈指のブランド。トヨタ車体などの協力も得て開発し、過酷なダカールラリーで装着車が市販車部門で優勝するなど、名実ともにトーヨータイヤのシンボルとなった。

試走は悪路のオフロード。獣道のように狭く、くねっている。車両はトヨタ自動車のSUV「ランドクルーザー」。ハンドルを握ると壁面のようなカーブや上り下りの急勾配も、低速ながらどうにか走破できた。ランクルの4駆駆動(4WD)も効いているためだろうが、タイヤがしっかり地面をとらえる。

トヨタ車体ラリードライバーの三浦昴氏の運転に同乗すると、OCのオフロードレース専用モデルを装着した車両は悪路を難なく疾走した。ダカールラリーで優勝した三浦氏は「今年からラリーで専用モデルを装着している。トーヨータイヤの技術者は気持ちよく運転してもらうことを、とても大切にする」と信頼する。

ただ、OCを装着するピックアップトラックや大型SUVは日本であまり走っていない。そこで日本では騒音を気にせず運転できる市街地兼用タイヤとしての需要を開拓する。市街地でも同乗したが音は気にならなかった。

価格は非公表だが米国のSUVタイヤ1個は日本の4個分もざらとされる。日本もSUVはキャンプ人気などで伸びているが、タイヤは消耗品扱いされやすい。高額だとどれほど売れるのか。それでもトーヨータイヤの関係者は「ニッチ(すき間)市場を取ればよい。走破力と静粛性を両立できる技術は当社だけ。製品種類も国内一多く、他社は入ってこられない」と強気だ。

ブリヂストンなど上位大手に対し、トーヨータイヤは大型車の市販用を主力とする。特に北米の大型SUV用大口径タイヤで勝負し、稼げるようになった。2019年には北米工場の累計生産本数がOCを中心に5000万本を突破。競争力を強め、日本でも大口径タイヤで快走したい考えだ。

日刊工業新聞 2022年6月16日

関連する記事はこちら

特集

このサイトでは、アクセス状況の把握や広告配信などのためにクッキー(Cookie)を使用しています。オプトアウトを含むクッキーの設定や使用の詳細についてはプライバシーポリシーページをご覧ください。

閉じる