サイバーダインが拡販狙う、「次世代清掃ロボット」の利点
サイバーダインは次世代型清掃ロボット「CL02」で、2022年度に計100台、25年度は同1000台の受注を目指す。エレベーター連動のマルチベンダー対応ユニットで、エレベーターのメーカーを問わずに自由に乗り降りし、複数のフロアを自動清掃できる強みを活用する。ロボット単体の安さを強調する中国製ロボットに対し、システムとしての運用で時間帯別の清掃など全体のコスト削減が図れる利点を強調。将来は警備ロボットや入退室管理システムとの連動も目指す。
CL02はすでに羽田空港や神戸市、茨城県つくば市の市役所などで採用されている。高速で自律走行し、2時間のフル充電で3000平方メートルの広大なエリアを清掃できるほか、新型コロナウイルス感染症対策としての紫外線照射や除菌剤噴霧などの機能もある。
最大の特徴はオプションで搭載するマルチベンダー型エレベーター連動ユニット。日立製作所や東芝エレベータ(川崎市幸区)、三菱電機などのメーカーを選ばずに、清掃ロボットとエレベーターが無線通信し、自在に乗り降りできる。
エレベーター対応型の清掃ロボットは他にも存在するが、特定メーカーのエレベーターしか使えない商品がほとんどだ。ビルオーナーはエレベーターのメーカーが異なるため、フロアごとに別々のロボットを配置して清掃することも多く、余計な出費となる。
サイバーダインはエレベーターの種類やメーカーに関係なく、自由に乗り降りできる利点をアピール。複数フロアを清掃できるため少ない台数で済む。今後は警備ロボットなどとの連動も計画。「警備ロボットは国家安全保障の側面もあるため、中国製でないことは追い風になる」(山海嘉之サイバーダイン社長)見通しだ。
日刊工業新聞2022年6月8日