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「正社員不足」46%、コロナ前水準に迫る

帝国データバンク(TDB)がまとめた、4月時点での人手不足に対する企業の動向調査によれば、正社員の人手が「不足している」と回答した企業は45・9%だった。前年同月から8・7ポイント上昇。コロナ禍前に最も人手不足の割合が高かった2019年の50・3%に迫る水準となった。

業種別では上位10業種すべて前年同月より上昇した。特に「情報サービス」が前年同月比10・5ポイント上昇の64・6%で最も高かった。次いで「メンテナンス・警備・検査」が60・1%と6割を上回り、「建設」が59・4%と続いた。

一方、非正社員については「不足している」と回答した企業は同6・7ポイント増の27・3%だった。正社員の傾向と同様に前年同月から大幅な上昇となった。

業種別では「飲食店」が同27・3ポイント上昇の77・3%でトップ。深刻な人手不足となっている。「旅館・ホテル」がこれに続き、56・1%と同28・8ポイントの急上昇となった。

企業からは「県民割りの適用により、旅行客が増加している」(旅館・長崎県)、「決して楽観できる状況ではないが、まん延防止等重点措置が解除され昨年よりは良い」(旅館・愛媛県)といった声があるように、旅行客が戻ってきていることが人手不足の背景にありそうだ。

今後についてTDBは「アフターコロナへと移ろうなかで、さらに不足感が上昇すると考えられる」としている。

調査は4月15―30日に実施。有効回答企業数は1万1267社。

日刊工業新聞2022年5月31日

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