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SDGs推進へ大和リゾート系ホテルが設置“ヒノキルーム”の全容

丸紅木材(大阪市中央区、清水文孝社長)が展開する国産ヒノキブランド「IKONIH(アイコニー)」が、大和リゾート(東京都千代田区、柴山良成社長)の「Hotel & Resorts MINAMIAWAJI」(兵庫県南あわじ市)に採用された。宿泊業での国連の持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みの一環で、ヒノキ素材をふんだんに活用したIKONIHルームを両社が共同開発。まずは同ルームを1室設け、稼働状況などを踏まえた上で、今後の増室も検討していく。

IKONIHルーム(写真)にはヒノキのフローリングが敷かれたスペースや、IKONIHの家具や玩具(がんぐ)が設置されている。子ども連れの宿泊客にヒノキの持つ温かみと、木製玩具の特徴を通じたモノを大切にする心(木育〈もくいく〉)やコミュニケーションを育むことにつなげる考え。

丸紅木材のIKONIH事業はSDGsがコンセプト。国内で伐採されたヒノキで商業的価値に劣る残材や未利用材、間伐材などを家具や玩具、木製ノベルティーなどに加工して木材ロスゼロを目指すとともに、日本の森林を将来にわたって残す活動。

同ホテルではこれまで、消臭・除菌作用のある「エッセンシャルひのきミスト」や宿泊予約者へのヒノキサシェ(香り袋)の贈呈などIKONIH製品を利活用し関係性を築く一方、環境対策やSDGsへの取り組みを模索していた。

丸紅木材では今回の取り組みをきっかけに、宿泊客のSDGs参画につなげるため、宿泊料の一部を植林など森林の維持・発展に還元できる仕組み構築にも取り組む考え。

日刊工業新聞2022年5月25日

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