環境エネをDX技術でリードする人材育成の中身
東京都市大がスタート
東京都市大学はデジタル変革(DX)による実践的な環境・エネルギーマネジメント教育を始めた。太陽光パネルやIoT(モノのインターネット)設備などハード、システム、ソフトの環境を整備。学内や連携先の工場の実データを分析し、エネルギー需要予測や二酸化炭素(CO2)排出量低減の提案ができる人材を育成する。共同研究の側面もあり、企業のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)と脱炭素社会を後押しする。
東京都市大は文部科学省事業により、蓄電池やデータサーバー、ビルエネルギーマネジメントシステム(BEMS)などを学内で整備。モデルでなく実際のビッグデータによる実践教育を行う。
産学連携では、生産性向上のコンサルティングを手がけるレクサー・リサーチ(鳥取市、中村昌弘社長)と組む。同社顧客の工場現場のIoTや実データ分析、エネルギー最適化などを手がける。
同大の環境学部を中心にメディア情報学部、理工学部、各大学院などが連携し、既存の科目をベースに新プログラムを整備。学生はデータ分析やネットワークセキュリティーなどの基礎や、再生エネルギーや省エネ、サプライチェーンマネジメントの手法を習得。インターンシップ(就業体験)や卒業研究などに進む計画だ。
企業はCO2低減を工場の排出分、使用電力分、さらにライフサイクル全体で推進する必要に迫られている。ESG(環境・社会・企業統治)も大きい。しかしデジタル技術など身に付けた総合的な専門人材が不足しており、期待が集まりそうだ。
日刊工業新聞 2022年5月19日