大林組が構築に挑む、「水素エネルギーマネジメントシステム」の全容

  • 0
  • 2

大林組は福島県浪江町の町内3カ所に50キロワットの定置型燃料電池(FC)3基など計4基を設置し、水素エネルギーマネジメントシステム(EMS)の構築に本格的に着手した。町役場構内にも水素ステーションを設置したほか、今夏には柱上パイプラインでの水素供給システムを整える。効率的な水素サプライチェーン(供給網)の実現を目指す。

浪江町では環境省の実証事業として、2020年度から同町にある福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)から、小型容器をまとめて固定したカードルで水素を街中に供給。定置型FCで電力・熱を供給するコージェネレーション(熱電併給)の利活用を研究してきた。

このほど、町の保養施設にトヨタエナジーソリューションズ(名古屋市中区)が開発した50キロワットの定置型FC2基を設置した。水素はカードルにため、今夏から定置型FCがある50メートル程度を柱上パイプラインで供給する。

柱上パイプラインは同町でブラザー工業などが実証開発してきており、日本初の実用化となる。また介護施設にも50キロワットのFCを導入し、2サイトともコージェネで活用する。同社の現場事務所へもデンヨーの8キロワットFCを設置した。

水素ステーションは町役場敷地内へ設置した。35メガパスカルの水素を300立方メートル貯蔵、70メガパスカルに昇圧して町などが保有する燃料電池車(FCV)に送る。この水素ステーションの実証も含め、水素EMSのモデルを構築していく。

同町では22年末に、地元の伊達重機(福島県浪江町)が1時間当たり10台のFCVに充填可能な水素ステーションの設置を予定。住友商事は浪江駅前再開発にからんだマルチ水素ステーションの建設する見通しで、水素を利活用するまちづくりが進む。

また、工場のゼロエミッション化を目指して、水素を活用した企業化調査を相馬ガスグループ(福島県南相馬市)などが開始。町は再生可能エネルギーと水素を活用して、消費電力に占める二酸化炭素(CO2)排出ゼロを実現するRE100団地を23年度から造成を目指す。

日刊工業新聞2022年4月12日

キーワード

関連する記事はこちら

特集

このサイトでは、アクセス状況の把握や広告配信などのためにクッキー(Cookie)を使用しています。オプトアウトを含むクッキーの設定や使用の詳細についてはプライバシーポリシーページをご覧ください。

閉じる