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無呼吸症を早期発見、サイバーダインが医療実験する「超小型バイタルセンサー」の実力

無呼吸症を早期発見、サイバーダインが医療実験する「超小型バイタルセンサー」の実力

サイビスは指先程度の大きさで、心活動データや脳活動データ、体温、体動などのバイタルデータを日常的に測定できる

サイバーダインは超小型バイタルセンサー「Cyvis(サイビス)」を用いた医療実験を2022年度に行う。同センサーを計450台、モニターユーザーに2週間程度貸し出し、不整脈や心房細動などをチェックして心筋梗塞や脳梗塞の予防を図る。睡眠時の呼吸状態のチェックでドライバーらの睡眠時無呼吸症候群リスクの早期発見に役立てる。将来は病院施設の専門家と連携して、自宅と病院施設をつなぐ遠隔ヘルスケアサービスの実用化を検討する。

サイビスは指先程度の大きさで、身体に装着するだけで心活動データや脳活動データ、体温、体動などのバイタルデータを日常的に測定できる。測定データを集積して人工知能(AI)処理で解析し、心疾患や無呼吸症候群などの早期発見、予防につなげる。トラックやタクシーの運転手らに利用した場合、運行の安全性向上や疲労発見に役立てられる。

4月に医療機器の届け出を行った。病院とつなぐことで、さまざまなヘルスケアサービスが提供可能になるとみて準備を急ぐ。

サイバーダインはスマートフォンのアプリケーション(応用ソフト)「熟睡アラーム」を開発するC2(東京都文京区)を21年8月に買収済みで、同社との相乗効果も目指す。C2は月30万人のアクティブユーザーがおり、7500万件以上の睡眠データを保有している。

労働者の高齢化が進むことで脳血管疾患や心疾患の潜在リスクが高まる。一方、新型コロナウイルス感染防止の観点などから個人が思うように病院に行けない事情もあり、遠隔サービスのビジネスチャンスが拡大するとみて売り込む。

日刊工業新聞 2022年5月26日

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