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8392億円の貿易赤字だった4月、ロシア向け輸出入はどうだった?

財務省が発表した4月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、8392億円の赤字となり、9カ月連続の赤字だった。ロシアによるウクライナへの侵攻などに伴う資源価格の高騰の影響で輸入額は過去最大を更新した。輸出額も4月としては過去最大となった。

輸出額は前年同月比12・5%増の8兆762億円と、14カ月連続で増加した。鉄鋼や鉱物性燃料、自動車などの輸出が伸びた。輸入額は同28・2%増の8兆9154億円と、15カ月連続の増加だった。原粗油や液化天然ガス(LNG)、石炭などの輸入が増加した。

地域別では、米国向け輸出が同17・6%増の1兆5004億円と7カ月連続の増加となった。米国からの輸入は同15・3%増の8539億円となり、14カ月連続で増加した。自動車や原動機などの輸出が増えたほか、LNGなどの輸入が増加した。

中国向け輸出は同5・9%減の1兆4891億円で、3カ月ぶりに減少となった。半導体等製造装置や科学光学機器などの輸出が減少した。新型コロナウイルス感染対策で上海市をロックダウン(都市閉鎖)した影響などがあるとみられる。

中国からの輸入は同5・5%減の1兆6574億円となり、15カ月ぶりの減少となった。通信機や衣類・同付属品などの輸入が減った。

ロシア向け輸出は同69・3%減。ロシアからの輸入は、資源価格の高騰の影響で、同67・3%増となった。

日刊工業新聞2022年5月20日

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