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過去最高になった社長の平均年齢、指摘されるリスク

東京商工リサーチ(TSR)の調査によると、2021年の社長の平均年齢は調査を開始した09年以降で最高の62・77歳だった。前年と比べて0・28歳伸びた。平均年齢は毎年上昇しており、社長の高齢化が鮮明となった。赤字企業も社長が70代以上の企業が24・0%で最も高く、60代も23・2%だった。TSRは「社長の高齢化は事業承継の遅れだけでなく、倒産や休廃業・解散にも直結しやすい」と指摘する。

21年の社長の年齢分布は70代以上の構成比が32・7%(前年31・8%)で、3年連続で構成比が最も高かった。50代は構成比が24・1%(同23・7%)と上昇気味だ。30代以下、40代、60代は構成比が前年を下回った。

社長の年代別で企業業績をみると、直近決算で「増収」は30代以下が47・9%で最も高かった。一方、70代以上は32・4%と最も低かった。

21年に「休廃業・解散」した企業の社長の平均年齢は71・00歳で、2年連続で70代だった。生存企業の社長の平均年齢は62・77歳で、差は8・23歳(同7・74歳)に拡大した。

今回の調査はTSRの企業データベース(約400万社)から21年12月時点の代表者の年齢データを抽出して分析した。「社長」は代表取締役社長のほか、個人事業主や理事長などを含む。

日刊工業新聞2022年5月4日

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