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デンソーがパワー半導体生産で台湾UMCと協業する狙い

デンソーは、台湾半導体大手の聯華電子(UMC)とパワー半導体生産で協業する。UMC日本子会社の三重工場(三重県桑名市)内に、直径300ミリメートルウエハーの絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)の製造ラインを新設し、2023年上期に生産を始める。電動車の普及で使用量が増す半導体の安定確保が狙い。25年には月1万枚の生産を目指す。

投資額や費用負担の割合は非公表。複数ラインの設置を予定している。直径300ミリメートルウエハーを使ったIGBTの生産は、日本では初めてだという。大面積ウエハーを活用することで、半導体のコスト低減が見込める。生産したIGBTは、インバーター用の制御部品であるパワーカードに使用する。

デンソーは18年からUMCとの協業検討を始め、19年には三重工場内に拠点を設置し詳細を詰めてきた。電気自動車(EV)といった電動化の加速で今後、半導体需要はさらに高まる見通し。半導体受託製造(ファウンドリー)の積極活用で、調達力の強化を図る。


日刊工業新聞2022年4月27日

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