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川重が2020年代半ば実用化、大型水素運搬船の全容

川崎重工業は開発中の大型の液化水素運搬船(完成イメージ)の基本設計承認(AiP)を日本海事協会から取得した。建造に必須ではないが、第三者から安全性などを認められた。AiP取得により、国の研究機関などから開発の支援を受けやすくなる可能性がある。大型船はタンク容積が16万立方メートルで、2020年代半ばに実用化する計画。

川重は豪州と日本間の水素サプライチェーン(供給網)の事業化を目指しており、水素運搬船はその中核機器になる。

豪州から日本に液化水素を輸送する実証を21年12月から22年2月にかけて実施し、成功した。実証で活用した船はタンク容積が1250立方メートルと小型のため、大型船では128倍に大型化する。

タンクは4基搭載する。外部からの侵入熱により発生するボイルオフガスを低減できる新開発の断熱システムを採用する。

大型船は20年代半ばに完成させて実証し、30年の商用化を計画している。

日刊工業新聞2022年4月26日

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