世界初の液化水素運搬船が国際航海、日豪またぐ「供給網」商用化へ
川崎重工業、Jパワーなど日豪6社が参画する水素サプライチェーン(供給網)構築実証で、世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」が豪ビクトリア州に到着した(写真)。初の国際航海で、マイナス253度Cで液化した水素を積載して輸送した。豪州でも液化水素を積載して出港し、2月中旬から下旬に日本に帰港する。
実証には岩谷産業、丸紅、住友商事も参画する。川重が建造した運搬船に液化水素を積載し、ビクトリア州の液化水素積荷基地に到着した。液化水素は一定量が気化した。豪州では、Jパワーが同州産の褐炭から水素を製造する。それを液化して運搬船に補充し、日本に戻る。
往復の航海で液化水素を積載するタンクを安全に取り扱えるかなどのデータを収集する。実証で得た知見を生かし、日豪をまたぐサプライチェーンを2030年ごろに商用化する計画。
日刊工業新聞2022年1月24日