「攻め」に転じるUACJ、国内外の連携を加速

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UACJ公式サイトより

アルミニウム圧延国内最大手のUACJでは「選択と集中」の構造改革が一段落しつつあり、2022年度は持続的成長に向けた「攻め」に転じる。国内外の事業ともに収益を高めるべく、グループ企業の果たす役割は大きくなっている。

UACJは古河スカイと住友軽金属工業が13年に経営統合し、発足した。飲料缶から自動車、航空宇宙関連まで素材供給のフィールドは広い。発足後も需要は底堅く推移してきたが、19年には米中貿易摩擦などが響いて減少。ノンコア事業や不採算分野からの撤退を迫られ、UACJ銅管を売却したほか、栃木県の日光製造所やUACJ金属加工大阪工場などを相次ぎ閉鎖。海外は、競争力の観点から一部合弁を解消するなど押出加工関連事業の拠点を見直した。

 現在はコロナ禍の長期化、ロシア・ウクライナ情勢など先行き不透明感は強いが「22年度上期には構造改革にめどを付けたい」(田中信二取締役兼執行役員)という。3年半で210億円の構造改革効果を見込む。

 

30年度に向けた経営ビジョンは「モビリティ、ライフスタイル・ヘルスケア、環境・エネルギー」を成長領域とし、「素材+加工」の高付加価値部材を提供すると明記。脱炭素、脱プラスチックといった流れに対応し、「缶材」「自動車部品」を軸に世界的ネットワークを強固にしていく。

 

注目されるのが、北米の旺盛なアルミ缶需要。ペットボトルからの転換や新ジャンル飲料投入で供給は逼迫(ひっぱく)しており、北米拠点の能力増強を検討しつつ、足元ではタイ拠点からの供給支援でしのぐ。マザー機能を持つ日本と合わせ「3極が連携して好循環を築いている」(石原美幸社長)状況だ。

 

国内では22年初から組織の求心力を高める動きもある。UACJ押出加工などグループ数社が、東京・大手町のUACJ本社に入るビルに移転。製品のアイデアを出し合うなどコミュニケーションを円滑化しており新規事業の創出、コストの削減につなげたいとしている。

日刊工業新聞2022年3月31日

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