4割の企業が「円安は経営にマイナス」と回答。規模別・業種別の詳細
東京商工リサーチが1―11日に実施した「円安に関するアンケート調査」によると、円安が自社の経営にマイナスと答えた割合は39・6%と、1ドル=113円台だった2021年12月の前回調査と比べて10・4ポイント増えた。円安がプラスと回答した割合は3・9%にとどまった。原油高に加えて円安が経営の痛手になりつつある状況がうかがえる。
規模別では「マイナス」と答えた大企業(資本金1億円以上)の割合は34・8%、中小企業(同1億円未満)は40・4%と、中小企業が5・6ポイント上回った。
業種別では繊維・衣服等卸売業(77・5%)、食品製造業(71%)、家具・装備品製造業(70・8%)の3業種で「マイナス」と回答した割合が70%を超えた。原材料などの仕入れを輸入に依存する業種を中心に、円安の悪影響が徐々に強まっている。
一方、「プラス」と回答した割合が最も高かった業種は宿泊業で16・6%。次いで業務用機械器具製造業の15%、輸送機械器具製造業の11・5%。円安が外国人観光客の増加につながる宿泊関連、輸出関連の製造業などでプラスと回答した企業が多かった。
望ましい円相場について、最も多かった回答が「110円以上115円未満」で42・5%だった。「125円以上」と回答した割合は0・9%にとどまっている。東京商工リサーチは「円安がマイナスに働く企業には現在の円安水準が重大な経営リスクになりつつある」と分析している。
日刊工業新聞 2022年4月21日