EVレースチームを買収した日産の思惑
日産自動車は電気自動車(EV)の国際的なレース「フォーミュラE」に参戦するフランスのレースチーム「e.dams(イーダムス)」を買収した。買収額は非公表。日産はレースで得たノウハウを新車の開発に生かし、同社の電化戦略の加速につなげる。
イーダムスは2014年に設立。「EVのF1」とも言われるフォーミュラEにシリーズ開始時から参戦し、これまでに3度の優勝経験を持つ。日産は18年にイーダムスとパートナーシップ契約を結び、フォーミュラEに参戦。25―26年シーズンまで継続して参戦することも表明している。
日産は10年にEV「リーフ」を発売。そこで得たノウハウをEVレース車両の開発に生かしてきた。一方、フォーミュラEなどのレースで得たノウハウは、1月に発売した新型EV「アリア」を含め次世代EVの開発に役立てている。
日産のアシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)は同レースへの参戦で「技術的に大きく飛躍し、お客さまにとってより良いクルマを開発するための絶好の機会を得ることができると信じている」とコメントしている。
日刊工業新聞2022年4月16日