トヨタが国内投入、EV「bZ4X」に課せられたもう一つの試金石

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トヨタ自動車が発売する初の電気自動車(EV)専用車「bZ4X」

トヨタ自動車は、初の電気自動車(EV)専用車「bZ4X(ビーズィーフォーエックス)」を、5月12日に国内発売する。新車としては初めて、売り切り型ではなくサブスクリプション(定額制)サービスの「KINTO(キント)」のみで販売する。ユーザーの不安払拭(ふっしょく)と利便性向上に加え、車載電池の回収モデルやコネクテッド機能を活用した更新サービスなど、EV時代の新たな販売モデルの確立を目指す。

初年度の販売目標は5000台で、価格は前輪駆動モデルが600万円、4輪駆動モデルが650万円(ともに消費税込み)。満充電時の航続距離は559キロメートルで、1キロメートル当たり128キロワット時の電費を確保した。また2025年にかけて、販売店に急速充電器を順次設置していく方針だ。

KINTOでは、これまで7年が最長だった契約期間を10年に延ばし、メンテナンスやモーターなどの故障保証もつけた専用プランを用意する。顧客の不安が大きい電池の劣化に対しては10年間で走行距離20万キロメートル、電池容量70%を保証するほか、5年目以降の中途解約金もなくす。

定額制サービスの運営を担うKINTO(名古屋市西区)の小寺信也社長は「EVユーザーをどう増やすかが重要。劣化や故障などのリスクを顧客ではなく我々が負うことで、楽しみつつ安心して乗ってもらいたい」と説明する。具体的な料金は5月2日に公表する予定だ。

定額制サービスの導入は、収益面にも寄与しそうだ。EVでは車載電池が車両コストの3―4割を占め、EVビジネスの採算性悪化の要因となっていると言われる。電池の回収から再利用までの循環システムを確立できれば、定置型蓄電池への再利用など、新たな付加価値も期待できる。またトヨタの前田昌彦副社長はメンテナンスや機能更新なども含め「バリューチェーンを通した期待値も持てる」と話す。市場性だけでなく収益性の見極めが、bZ4Xに課せられたもう一つの試金石となる。

日刊工業新聞2022年4月13日

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