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物流SIを300億円規模で買収する豊田織機の深謀遠慮

豊田自動織機は、物流システムインテグレーターの独ヴィアストアを買収する。欧州子会社を通じて同社の全株式を取得する。買収金額は非公表だが、300億円規模とみられる。ヴィアストアは物流工程の一部を自動化する、中小規模の物流ソリューションを得意とする。豊田織機は欧州で手薄だった同分野を買収により強化する。

ヴィアストアの売上高は1億4000万ユーロ(約180億円)で、従業員数は602人。7月以降の買収完了を目指す。同社は自動倉庫や在庫管理システムといった物流機器制御システムを手がける。製造業や小売業といった幅広い業種向けに、搬送や保管といった物流工程の一部自動化システムを強みとする。

豊田織機は欧州の自社拠点や、オランダ物流子会社のファンダランデとの相乗効果で欧州物流ソリューション事業の強化を図る。2025年に物流ソリューション事業の売上高を現状比約1・5倍の6000億円にする計画を掲げているが、今回の買収に伴い目標を引き上げる方針。31日にオンライン会見した若林紀雄経営役員は「欧州でもあらゆるタイプのソリューションニーズに応えられる体制を整える」と話した。

日刊工業新聞 2022年4月1日

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