【決算一覧】自動車減産で下方修正相次いだトヨタグループ主要部品メーカー、経営陣たちの声
トヨタ自動車グループの主要部品メーカー7社のうち、デンソーなど4社は、2022年3月期連結業績予想を下方修正した。21年10月以降続いている、半導体不足などによるトヨタ自動車をはじめとする車メーカーの減産影響を織り込む。一方、21年4―12月期連結決算は、6社が増収増益だった。減産や資材・物流費高騰の影響はあったが、世界的な市場回復や企業体質改善が業績を押し上げた。
通期予想はデンソー、トヨタ紡織、豊田合成が売上高と営業段階から利益を引き下げ、愛知製鋼が利益を営業段階から下方修正した。デンソーは減産、部材費などの高騰で21年10―12月期に発生した540億円の減益要因を織り込み、通期の営業利益予想を同年7月予想比で400億円引き下げた。松井靖取締役は「減産規模がかなり大きかったが、22年1―3月期は強い数字だ」と、トヨタの通期の世界生産は900万台程度になると見る。
トヨタ紡織は「顧客の減産を受け、通期の製品の生産台数を21年10月時点から39万台減の738万台に見直した」(伊藤嘉浩取締役)。愛知製鋼は通期の営業損益への資材高騰のマイナス影響が、従来比30億円増の380億円に広がる見込み。
21年4―12月期決算は、大幅に回復した。豊田自動織機は売上高と営業利益で、アイシンは当期利益で過去最高を達成。デンソーも売上高が過去最高だった。ジェイテクトは全利益項目で黒字転換した。「挽回生産はある程度できており生産水準は高い」(アイシンの伊藤慎太郎取締役)。ただ「半導体不足の影響は23年あたりまで続く可能性がある」(ジェイテクトの牧野一久取締役)など、先行きは不透明感が強い。
日刊工業新聞2022年2月3日