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同族経営をデータ分析する拠点、三菱UFJ銀と神戸大が開設する理由

同族経営をデータ分析する拠点、三菱UFJ銀と神戸大が開設する理由

神戸大と三菱UFJ銀によるファミリービジネス研究に関する包括連携協定の締結式(24日、三菱UFJ銀提供)

神戸大学と三菱UFJ銀行は、ファミリービジネス(同族経営)の研究に関する包括連携協定を締結した。4月1日付で神戸大学大学院経営学研究科内に「ファミリービジネス研究教育センター」を設置する。三菱UFJ銀の担当者や、大企業・中堅企業の創業家などによるセミナーを、学部生向けに開催。その上で、経営戦略や事業承継などのテーマを共同研究する。少子高齢化で企業の廃業が相次ぐ中、学術的なアプローチから、地域経済活性化などの社会課題に取り組む。

セミナーは6月以降に開催。子ども向けアパレルのファミリア(神戸市中央区)の岡崎忠彦社長らが登壇予定。三菱UFJ銀からは客員教授を数人派遣する。大手銀行がファミリービジネスに特化して大学と連携するのは珍しい。神戸大院経営学研究科が設立したNPO法人現代経営学研究所(RIAM)を通じて、産学連携につなげる。

株式を持つ創業家が経営に携わる非上場会社や、創業家が株式を持ちつつサラリーマン社長に経営を委ねた上場会社など、研究対象は幅広い。主に大企業や中堅企業を想定する。客観的なデータ分析を深め、中小企業支援のあり方の研究などにもつなげる。研究成果は書籍化も検討する。

一般的に関西地域は、中堅規模以上のファミリービジネスが多いとされる。ただその成功や失敗の要因を十分にデータ分析した研究は少ない。ファミリービジネス研究教育センター長に就任予定の梶原武久神戸大院経営学研究科教授は、「銀行と協力してデータを共有し、アカデミックな研究を蓄積していく。国際的な研究拠点を目指す」と期待する。

日刊工業新聞 2022年3月30日

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