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ソフトバンクが「量子」時代のセキュリティー実証、提携した米企業の正体

ソフトバンクは米サンドボックスAQ(カリフォルニア州)と、耐量子計算機暗号(PQC)の実証実験を日本で始めた。今後普及が見込まれる量子コンピューターによって従来の暗号が解読されてしまう可能性を踏まえ、研究開発を推進。2023―24年度にPQCを用いたセキュリティー関連商材の商用化を目指す。

実証は今夏まで実施し、その結果を踏まえて商用化時の活用例を明確にする。短期的には、機微な情報を多く扱う金融業界や医療業界などに、インターネット仮想私設網(VPN)に代わる商材として提供する見通し。インターネットVPNは通信事業者の閉域網を用いる場合に比べて安価だが、不正アクセスのリスクが大きい。

現在使われているRSA暗号が量子コンピューターによって解読される懸念を軽減する観点でPQCの標準化が進んでおり、米国標準技術研究所(NIST)はPQCとして採用する暗号アルゴリズム(計算手順)を24年に決める方針。

サンドボックスAQは、米グーグルの親会社である米アルファベットから独立して3月に設立された。ソフトバンクによると、サンドボックスAQが日本の通信会社と提携したのは今回が初めて。

日刊工業新聞2022年3月28日

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