ソフトバンクグループの孫さんが起業家に向けて語った手厳しい一言

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ソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義さん

「人生って面白いですね。いろんなドラマがあります」。ソフトバンクグループ会長兼社長孫正義さんの決算会見は、冒頭からやや芝居じみたものだった。

半年前は日本企業で初の5兆円の純利益を計上し、満面の笑みをたたえたが、今回は直近の四半期が赤字転落と激変した。孫さんはこの状況を「冬の木枯らしでございます」と表現し、ご丁寧に大型スクリーン上に雪が舞う映像を流す演出までしてのけた。

業績悪化の要因は、中国政府によるIT企業への締め付け策で、アリババなど投資先中国企業の株価が大幅下落したことが大きい。目利きの天才、孫さんも習近平政権の変節は予想外だったようだ。

そんな同社が最近、神奈川県のバイオベンチャーへの投資を発表した。同社の投資先は世界360社に広がるが、日本企業への投資は初めて。「2社目も交渉中」という。

ようやくお眼鏡にかなう企業が登場したと喜ぶべきか。孫さんは「日本は投資家も起業家も生き馬の目を抜くような戦いをしていない」と手厳しい。とはいえ、孫さんも一夜で株価が激変する海外市場の厳しさに疲れを覚える時もあるはず。じっくり日本のベンチャーを育てる醍醐味(だいごみ)も一度味わってほしい。

日刊工業新聞2021年11月11日

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