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錠剤やカプセルを飲みやすくするゼリー付き改良新剤形、モリモト医薬が開発

錠剤やカプセルを飲みやすくするゼリー付き改良新剤形、モリモト医薬が開発

折り畳んだ状態(右)を広げると、ポケットと錠剤・カプセル、服薬補助ゼリーが並ぶ(左)

モリモト医薬(大阪市西淀川区、盛本修司社長)は、錠剤やカプセルを飲みやすくする服用補助ゼリー付き製剤の新剤形「GT剤プラス=写真」を開発した。高齢者ら飲み込む力が弱くても服薬が容易な「易服薬製剤」の一種。錠剤やカプセルと服薬補助ゼリーをセットにした従来の「GT剤」を改良。飲み合わせの薬を入れるためのポケットを付け、まとめて飲めるようにした。経口抗がん剤などの高付加価値製剤として需要を見込む。

GT剤プラスは区切りのあるフィルムパッケージ内に錠剤やカプセルと服薬補助ゼリーを充填して折り畳んだ形状。カバーを外すと出て来るポケットに飲み合わせる薬を入れる。ポケットの開口部を口にくわえて補助ゼリーを錠剤などがある方へ押し出すと区切りの接着部が離れる。セットの薬やポケットに入れた薬を補助ゼリーが包み込み、飲み込みやすい状態で口に入る。

新薬やジェネリックのメーカーから錠剤などを受け取り、最適なゼリーやパッケージ、製法を選定する製剤設計・開発を引き受ける。量産は医薬品製造品質管理基準(GMP)基準を満たした医薬品受託メーカーに技術移管する方針で選定を進めている。

高付加価値製品を主なターゲットとする。経口抗がん剤は飲み込む力の弱い患者が多い上、大半の場合に複数の飲み合わせの薬がある。さらに劇薬のため人が触れるリスクを低減する需要が大きく、同製剤の利点を生かせるとみている。

日刊工業新聞2022年3月22日

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