三井不動産・三菱地所…防災にIT生かすそれぞれの戦略

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森ビルのAR帰宅支援マップ

不動産各社が防災分野でデジタル活用を積極化している。三井不動産は、1500件を超える企業の過去の被災状況を蓄積したデジタルデータを基に、企業の防災対策の脆弱(ぜいじゃく)性を診断するコンサルティングサービスを開始。三菱地所は、東京・丸の内周辺で災害が発生したことを想定し、簡易投稿サイト「ツイッター」を活用して災害情報を流す仕組みを開発した。ITの活用により、効率的な防災対策につなげる。(大城麻木乃)

三井不動産は企業の事業継続計画(BCP)策定だけでなく、運用・改善まで支援する新サービスを始めた。BCPを策定して終わりの企業が多い現状を踏まえ、デジタル技術を駆使して企業のBCPのPDCA(計画、実行、評価、改善)をサポートする。

蓄積したデータを基にした顧客の脆弱性診断に加え、会社の業態や立地、災害の種類などに応じたさまざまなシナリオを用意し、顧客の防災訓練の実施も手助けする。専門家のコンサルタントが年間を通じて伴走支援する仕組みだ。会員制とし、年会費は30万円(消費税抜き)。新規事業として自社ビルの入居企業にとどまらず、幅広く会員を募る。

三井不動産の防災訓練(イメージ)

三菱地所は災害時に丸の内周辺にある電子看板に災害情報を流すプラットフォーム(基盤)で、ツイッターと自動連動して情報を流す仕組みを開発した。従来は地元の千代田区や交通機関などが発信した災害情報を人手で入力して流していたが、同区などのツイッター情報をそのまま流す。「入力の手間をなくし、迅速に情報発信できるようになった」(三菱地所)としている。

森ビルは六本木ヒルズ(東京都港区)周辺で災害時に帰宅困難者が発生したことを想定し、半径20キロメートル圏内の帰宅ルートや防災施設を示す拡張現実(AR)の地図を開発した。スマートフォンに専用のQRコードを読み込んで使う。従来は紙の地図を配布していたが、ARとすることで、現在地から防災施設までの距離や方角をスマホで確認できる。

不動産各社の防災分野でのIT活用は今後も活発化しそうだ。

日刊工業新聞2022年3月11日

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