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災害現場で避難誘導する「アナウンサードローン」の仕組み

災害現場で避難誘導する「アナウンサードローン」の仕組み

避難誘導スピーカー双葉電子工業のドローンに搭載

クオリティソフト(和歌山県白浜町、浦聖治社長)は、双葉電子工業製の飛行ロボット(ドローン、写真)に搭載する圧電スピーカーユニットを開発した。人の音声を明瞭で力強く出力することに特化し、ドローンによる上空からの広域アナウンスを実現。人工知能(AI)アナウンス機能により、日本語以外にベトナム語など28カ国語の選択が可能。「アナウンサードローン」の名称で、自治体の防災用などに拡販する。

消費税抜きの価格はドローン本体も含め350万円程度としている。ドローンは耐風性能が風速15メートルと高く、防水性能も備え、45分間程度飛べる。

災害現場でドローンを捜索などに活用し、住民や帰宅難民に避難誘導を呼びかける試みはいくつかの地域でされている。ただ、ドローンの飛行騒音にかき消されて住民からは「内容が良く聞き取れない」との声も多い。

クオリティソフトの圧電スピーカーはドローンのプロペラ音や周囲の騒音に負けない音声出力と、音声の指向性により、300メートル程度離れていても明瞭に聞ける性能を実現。スピーカーは計5種あり、総重量220―650グラムと軽い。同社はクラウドサービスとパッケージソフトウエア提供を手がけ、今後、ドローンの飛行経路管理や機体相互認証へと事業を広げたい考えだ。

日刊工業新聞2021年10月28日

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