2000人を省人化、清水建設が開発したコンクリ打設を効率化する機械装置の全容
清水建設は、極東開発工業とコンクリート打設工事を効率化する機械装置「大型ディストリビュータ」を開発した。同装置は水平長29メートルの折り畳み式ブームを伸ばして縦配管と打設場所を結び、コンクリートを効率よく分配・打設する。現場でのコンクリート打設回数と打設時間を大幅に削減できる。
新装置は、折り畳み式ブームを備えるとともに、エレベーター開口内での作業に適したアウトリガーの開発で開口内の梁(はり)上に据え付けできることが容易になったのが特徴。装置の簡素化・軽量化でクレーンによる揚重や移設を可能にした。これにより、装置専用の床開口や開口部の大掛かりな構造補強が不要となり、移設作業に要する時間が大幅に短縮する。
このほど清水建設が施工中の共同住宅や診療所、ホテル、店舗、集会場が入居する「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業(虎ノ門・麻布台プロジェクト)B―2街区」で、同装置が始動した。約4万立方メートルのコンクリートを打設するが、打設工事の効率化とプレキャストコンクリート(PCa)化により、現場での打設回数と打設時間を大幅に削減でき、約2000人の省人化を見込む。
日刊工業新聞2022年3月3日