コロナ禍の生産制約が直撃、日産系部品メーカーが米1工場を閉鎖
河西工業が生産体制見直しへ
河西工業は2025年3月期までに米国で自動車内装部品の工場を1カ所閉鎖する。また日本でも工場閉鎖を含め生産能力の削減を検討する。同社は顧客である自動車メーカーのコロナ禍での生産制約の影響などにより、22年3月期連結業績予想で当期損益は175億円の赤字(前期は170億円の赤字)を見込む。工場閉鎖などで固定費を削減し、25年3月期に50億円の当期黒字を目指す。
河西工業は米国でドアトリムなど内装部品を5工場以上で生産している。うちミシシッピ州の工場を閉鎖する方針を固め、主要取引先の日産自動車と交渉を始めた。同工場の生産はテネシー州の工場への移管を見込む。既に米国では加工費の高い部品の生産を賃金の低いメキシコに移管。余剰スペースの整理を含めた生産体制の見直しを検討していた。
日本でも同様に加工費の高い部品の生産をタイやインドネシアなどに移管する検討を始めた。これに伴い日本で不採算拠点の閉鎖を見込む。最終的な組み立ては車メーカーの工場の近くで続ける。
同社は25年3月期まで3年間の中期経営計画を策定。生産能力の最適化や間接部門の効率化などにより、当期損益を23年3月期にゼロ、24年3月期に30億円の黒字を目指す。
日刊工業新聞2022年2月28日