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日系メーカー全社が前年割れの中国新車販売、日産幹部が語る市場環境

日系自動車メーカー6社合計の1月の中国新車販売台数は、前年同月比13・2%減の約45万台と、9カ月連続で前年同月実績を下回った。全社が前年割れとなった。春節(旧正月)需要の伸び悩みなどコロナ禍の影響を受けた。一方、中国市場全体では同0・9%増と、9カ月ぶりにプラスに転じた。半導体供給不足に改善傾向がみられたことなどが要因。

日系車メーカー別では、トヨタ自動車が同21・5%減と2カ月ぶりに減少した。新型コロナウイルス感染症拡大に伴い天津市で実施されたPCR検査の影響で、天津工場の稼働を停止。部品供給不足に伴う日本国内工場の稼働停止もあり一部車種で在庫が逼迫(ひっぱく)した。

ホンダ、日産自動車、マツダの3社は最近2ケタを超えていた減少幅が1ケタ台に縮まった。日産の幹部は市場環境を「短期的には不確定要素が多く競争が激化しているが、長期的には依然堅調」と見る。

中国汽車工業協会によると1月の中国市場全体の新車販売台数は同0・9%増の約253万台だった。うち乗用車は同6・7%増の約219万台。半導体不足の若干の改善や一部地域での販売支援策に支えられたという。新エネルギー車の販売は同2・4倍の約43万台。うち乗用車の電気自動車(EV)は同2・3倍の約34万台と全体をけん引した。

日刊工業新聞2022年2月25日

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