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成果を実証、核融合研究を後押しするAIの正体

スイス大などが開発
成果を実証、核融合研究を後押しするAIの正体

多数の磁気コイルを備えたTCV容器の3Dモデル(ディープマインド&EPFL提供)

スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)と人工知能(AI)開発企業の英ディープマインドは共同で、核融合での高温プラズマの位置や形状を変えられる新しい制御手法を開発した。ドーナツ形状をしたトカマク型核融合炉での実際のプラズマに対し、AIの一種である深層強化学習による制御手法を適用、成果を実証した。

トカマク型核融合炉での高温プラズマの閉じ込めおよび制御研究などに役立てられる。成果は英科学誌「ネイチャー」に掲載された。

EPFLのスイスプラズマセンター(SPC)では、磁場条件を変えられる可変構成トカマク(TCV)の実験用核融合炉を持つ。TCV容器は高さ1・5メートルで、計19個の磁気コイルを搭載する。研究ではまずディープマインドが開発した、特定のプラズマ形状を生成・維持するAIアルゴリズムに対し、TCVのシミュレーターで訓練を実施。

その後、実際のTCVで実証試験を行い、シミュレーターのデータに基づいてAIが設定値を直接調整しながら、さまざまな形状のプラズマを生成。容器内で上下二つに分かれたプラズマなど、これまでにない先進的で複雑な形状を作り出すこともできたという。

日刊工業新聞2022年2月22日

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