料理を柔らかくする新調味料が生まれた、高齢者の強い味方に
クリスターコーポレーション(広島県福山市、豊田文彦社長)は、高齢で食事が困難な人向けに料理を軟らかくする技術を広島県などと開発、その調味料を発売した。冷凍冷蔵庫があれば軟らかくでき特殊な装置が不要。価格は小鉢の総菜1000人分を処理できる500グラム入りで消費税込み1万6200円。
全国の特別養護老人ホームの1割への採用を目指す。
発売した「TORON(トロン)」は根菜類向け、青物野菜向け、肉や魚料理向けの3種類。調理を終えた食品を、トロンを溶かした液に漬けて冷凍させた後、冷蔵庫で12―24時間かけて解凍。最後に加熱して酵素を失活させる。料理の外観を保ちつつ舌でつぶれるほど軟らかくなる。
広島県立総合技術研究所が開発した「凍結含浸法」で使う酵素を使用する。同法では数十万円以上する真空包装機が必要だが、クリスターの新方式「酵素拡散法」では不要。少量だけ軟化するには新方式が向くという。
日刊工業新聞2022年2月22日