「リチウムイオン電池」の劣化を非破壊で観察して明らかになったこと

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LiBの観測(イメージ=産総研提供)

産業技術総合研究所の木野幸一主任研究員と大島永康研究グループ長らは、リチウムイオン二次電池の劣化を非破壊で観察し、リチウムが数センチメートルのサイズで不均一に分布していることを突き止めた。中性子線でグラファイト電極にリチウムイオンが取り込まれる量を計測した。劣化した電池では取り込み量が半分や4%程度に減っている部分が広がっていた。劣化の様子が可視化されることで電池の改良につながる。

中性子線でリチウムイオン電池を観察し、動作する状態でどんな劣化が進行しているか明らかにした。中性子線は電池を透過し、その波長変化からグラファイト結晶の層の間隔を推計できる。

新品の電池ではリチウムがグラファイトの層間にすべて挿入された結晶のピークが支配的だが、劣化した電池は挿入量が5割や2割、4%に低下した結晶が増えていた。この挿入量の偏在が、電極端子から筋状に数センチメートルのサイズで生じていた。リチウムの析出などが生じたと考えられる。

非破壊で動作する電池のリチウムの偏在を定量化できるようになったことで、電池の長寿命化対策の効果を評価しやすくなった。製造プロセスで生じるムラを特定するなど性能低下の原因追究にもつながる。

日刊工業新聞2022年2月4日

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産業技術総合研究所

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